投資という名の長い旅

インデックスファンド、米国ETFを活用した長期投資で、2024年1月にセミリタイア、FIREを達成しました。市場に居続けながら、FIRE生活を楽しんでいきます。

ウォーレン・バフェットから個人投資家へのアドバイス

世界最強の投資家として知られているウォーレン・バフェットが率いる投資会社、バークシャー・ハサウェイの毎年恒例の株主への手紙が、現地時間の2月25日に公表されました。「オマハの賢人」といわれているバフェットからのメッセージは、29ページにも及ぶ長文ですので、全部を読むのは大変ですが、バークシャーの株主だけでなく、個人投資家にとっても有益なメッセージがありましたので、ご紹介したいと思います。

 

バークシャー・ハサウェイのホームページで公開されています。リンク先は下記の通りです。

http://www.berkshirehathaway.com/letters/2016ltr.pdf

 

バークシャー・ハサウェイについては、私が保有しているバンガード社のETF, VOO, VT, VTIを通じて間接的に保有していることになります。米国株については個別株投資をしていないので、バフェット銘柄といわれる個別株への集中投資で、S&P500を上回るリターンを長期にわたって実現してきたバフェットの手法というところには、それほど興味はありません。

 

バフェットからの、インデックス投資家に対する心強いメッセージが、24ページの下の方にあります。ウォール街のアクティブファンドやヘッジファンドのマネージャーの多くは、S&P500といった市場平均を長期にわたって上回ることはできない。彼らに高いコストを払うくらいなら、大口の投資家であろうと、小口の投資家でも低コストのインデックスファンドに投資し続ける方がましだと結論付けています。

 

特に高額な運用報酬を得るヘッジファンドマネージャーを厳しく批判しています。過去10年間にわたって1,000億ドルものの大金が無駄になったと指摘しています。

 

それらとは対照的に、長年にわたって、低コストのインデックスファンドに投資することを勧めてきたバンガード社の創始者であるジャック・ボーグルを称賛に価すると、投資家に多くの利点をもたらした人物を讃えるために、彫像を建てるとしたら、ジャック・ボーグルでなければならないといっています。

 

バフェットは、昔から、一般の個人投資家には、S&P500に連動するインデックスファンドに投資することを勧めていましたが、今年の株主への手紙でも、その考え方は全くブレていないということです。

 

私自身は、昔は個別株への投資も一時期行なっていましたが、とても市場平均を上回るような成果を出すことができませんでした。2009年頃からインデックスファンド中心への投資に切り替え、今日に至りますが、改めて、個人投資家はインデックスファンドだけに投資していれば良いというシンプルで明解なアドバイスを実践していきたいと思います。

バンガードETF VYM(米国高配当株式ETF)の経費率が引き下げられました

昨日、2月24日、下記の通り、バンガード・インベストメンツ・ジャパンより、バンガードETF及び投資信託の経費率改定が正式にアナウンスされました。

 

www.vanguardjapan.co.jp

 

アナウンスされた5本のETFの内、私が現在保有しているバンガードETF VYM(米国高配当株式ETF)の経費率が、0.09%→0.08%に改定されました。丁度、1年前の2016年2月にも0.10%→0.09%に引き下げがありましたので、2年連続の経費率引き上げとなり、うれしい限りです。

 

たがが0.01%、されど0.01%です。バンガード社の、スケールメリットを活用してファンドの運営コストを低減し、保有者に対して利益として還元するという、この一貫した継続的な取り組みを高く評価しています。投資者の利益を第一に考える姿勢は、保有していて安心感があります。

 

今のところは、米国ETFを買う資金がなく、夏のボーナス支給時まで待たなければなりませんが、全力で買い続けたいと思います。バンガードさん、Good Jobです!

 

 

 

 

 

 

マネックス証券より米国株投資応援キャンペーンの入金がありました

小売大手のウォールマート、ホーム・デポの決算が好感され、ダウ、S&P500、NASDAQの主要三指数が揃って、現地2月21日付の終値で最高値を更新しました。減税策や規制緩和を期待しての動きと思いますが、トランプ・ラリーの勢いは底堅い感じです。

 

マネックス証券より、昨年の12月から今年の1月まで行なわれていた、米国株と米ドルの買付手数料全額キャッシュバックという米国株投資応援キャンペーンの入金が、一昨日ありました。

 

入金されたのは2万円弱でしたが、勿論、全額再投資にまわすことにしました。米国ETFを購入するには、手数料を考慮すると割に合わない金額ですので、投資信託(SMTグローバル株式インデックス)を購入しました。何に投資するか、迷った時は、とりあえず先進国株という感じです。

 

キャッシュバックの上限金額なしという太っ腹なキャンペーンでしたが、また夏頃に、このようなキャンペーンが実施されることを期待しています。

ジェレミー・シーゲル教授による市場の見方

CNBCは、アメリカ留学中によくみていたテレビ局です。朝から晩までビジネスと投資だけについて放送しているテレビ局があることに、やはり、アメリカは投資大国の国だなと驚いたのを覚えています。

 

現在は、iPhoneのアプリを利用して、通勤途中に前日のNY市場の動向、ニュースをチェックしているのですが、株式投資の名著「株式投資」と「株式投資の未来」の著者として、日本の個人投資家にも知られているペンシルバニア大学ウォートン・スクールのジェレミー・シーゲル教授が、ダウの見通しについて述べていたので、ご紹介したいと思います。

 

www.cnbc.com

 

トランプ政権が、共和党の伝統的政策である減税と更なる規制緩和に取り組めば、ダウは、今年度中に2万2千ドルまで、簡単に到達する可能性が高いと、強気な見方をしています。

 

一方で、マーケットにとってリスクとなる要因は、トランプ政権が保護主義的な政策をとること、通貨戦争、貿易摩擦といったことになれば、トランプラリーを妨げる、全く違った展開になるだろう。但し、こういうシナリオになる可能性は、今のところ、極めて低いと述べています。

 

共和党は、保守政党といわれていますが、日本の自民党とは異なり、伝統的に小さな政府を志向しています。基本的には、中央政府は最低限のこと(警察、国防、外交)だけをやれば良いという考えですので、減税による政府のスリム化、規制緩和により自由競争を促す政策が、共和党の伝統でもあり、ビジネス寄りといわれる所以です。

 

アメリカの場合、自由競争が良いモノ、サービスを生む、その結果、多くの人々にメリットをもたらすと肯定的に考えられており、共和党支持者、あるいは民主党支持者で程度の差こそあれ、自由競争を否定する人は殆どいません。

 

アメリカほど、自由貿易と自由競争による恩恵を受けている社会はないと思います。カリフォルニアは、私の住んでいた頃と比べると家賃に関しては高騰しており、東京と比べても、特別、割安感はありません。但し、ガソリン等の生活必需品、ガス、電気といった公共料金、スーパーで売られている食料品については割安感があり、ごく普通の生活を送るためのコストは安いといえます。

 

トランプ政権が発足し、矢継ぎ早に大統領令を発令しました。大統領が暴走しようと、法の解釈は司法が行なうので、納得できない人々は裁判に訴え、争うことは三権分立が機能している証拠でもあります。減税と規制緩和に取り組むことがマーケットにとってプラスになる、トランプ大統領はビジネスマンですので、このことは理解していると思いますし、政策として実行されることを期待します。 

 

 

 

「eMAXIS Slim」という新たなシリーズの登場

 三菱UFJ国際投信より、2月10日に正式なプレスリリースの発表がありました。既存のeMAXISシリーズの信託報酬が下がるわけではなく、新たに低コストシリーズとして「eMAXIS Slim」が2月27日に追加設定されるようです。私も含め、既存のeMAXISシリーズ保有者にとっては、ぬか喜びという結果になってしまいました。

 

http://www.am.mufg.jp/text/release_170210_2.pdf

 

新たにインデックス投資を始めたいという人々にとっては、今回の「eMAXIS Slim」の登場は、魅力的な選択肢になりえます。 一方で、既存のeMAXISシリーズの信託報酬引き下げができなかったという現実は、日本の投資信託をとりまく構造的な問題を露呈したともいえると思います。

 

プレスリリースによると、「販売会社とのコラボにより誕生しました」という文面があります。「eMAXIS Slim」の販売会社は、大手のネット証券だけです。一方、既存のeMAXISシリーズの販売会社は、ネット証券だけでなく、大手信託銀行、地方銀行、従来型の対面証券会社が含まれています。ここからは、想像の域をでませんが、信託報酬の内、販売会社の取り分を削減することに合意できたのは、ネット証券だけで、従来型の銀行(含む地銀)、対面証券会社とは合意できなかったのではないでしょうか。そのため、既存のeMAXISシリーズの信託報酬引き下げは断念し、合意できた大手のネット証券だけでの販売に限定して、『eMAXIS Slim」という新シリーズの導入に踏み切ったのではないでしょうか。

 

金融庁のトップに森長官が就任して以来、「フィデューシャリー・デューティー」を掲げて、従来の金融機関よりの姿勢から、我々消費者よりの姿勢に方針転換したことは、周知の通りです。私は、この姿勢の変化を高く評価しています。金融機関は、受益者に対して、より一層、公正・透明な説明責任が求められています。そんな中で、既存のeMAXISと新しい「eMAXIS Slim」、マザーファンドも同じようですし、殆ど同じ商品でありながら、信託報酬だけが違う、これを受益者にどう説明するのでしょうか。正直なところ、モヤモヤ感だけが残りました。