ここ数年、アメリカ留学時代の友人の動向をみていると、どこかの会社に転職するより、個人事業主(自営業)になるケースが圧倒的に多くなっています。サラリーマンをしている友人の方が少数派になってきました。カリフォルニアの人間の気質として、誰かのためにいつまでも働いているのは嫌だ、自分がオーナーとなって自由にやりたいという独立心旺盛な性格の人間が多いことも事実ですが、「ギグ・エコノミー」という大きな流れがあることも背景にあるのだと思います。そういう訳もあり、この本を読んでみました。
私もかつて、外資系IT企業に勤務していたとき、一部のITエンジニアやコンサルタントといった職種で、プロフェッショナル契約という個人事業主扱いになる有期雇用契約の制度がありましたが、利用している人は殆どいなかったという印象です。日本の友人をみても、親の家業を継いだというケースを除くと、個人事業主のコンサルタントとして独立した先輩、一人位しかいません。日本では、まだまだサラリーマン至上主義。どこかの組織に所属していないと、まともな社会人として扱われない社会なのだと思わざるをえません。
「ギグ」という必要な時に必要な単発の仕事を積み重ねて生活する生き方へ、アメリカ人の人生はシフトしつつあり、職(ジョブ)から働き(ワーク)への働き方・生き方革命が始まっているのです。「失業」という概念自体が時代遅れとなる未来が、すぐそこまで来ているのです。そんな時代に、どう働き、どう生きればよいのかの手掛かりを与えてくれるのが、この本です。
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