現地時間9月25日付、少し前のバンガード社のHPの記事になりますが、バンガード社の労働市場に対する見方を紹介したいと思います。
米国の大企業の求人は、幅広い業界において、2020年6月以来、最もスローな状況にある。求人の低下傾向は、失業率の増加とFRBによる2020年以来の利下げをもたらした。
労働市場におけるスローな求人傾向は、消費者の信頼感、実質賃金の増加を減少させることになり、結果として2025年上半期のGDP成長も弱含みとなるだろうと予想する。
新規の求人率は、2024年8月時点で1.8%と引き続き低下傾向にある。また米国政府の労働統計局のデータ(JOLTS)も、2024年7月時点で3.0%と似たような低下傾向を示している。
全国レベルでの失業者の数、大規模なレイオフが行われた件数は、歴史的にみても低い水準にあるにもかかわらず、失業率は年初の3.7%から、8月時点で4.2%へと上昇した。どのような要因が失業率を上昇させたのかを理解することが重要である。米国では、過去2年間、想定以上の労働力の供給に直面したことに注目している。新たな労働市場への参入者は、どうしても仕事を探すのに時間が掛かる。このことが、失業者は増えていないのに、失業率は増加しているという現象を引き起こした。
この想定以上の労働力の供給に直面した一つの要因は、65歳以上の高齢者の労働参加である。2005年時点の2%前後から、2024年8月時点は8%まで増加している。ベビーブーマー世代が高齢化していくと共に、この比率は上昇していき、2030年には10%を超えるものと予測している。
米国でも、日本と同様に65歳以上の高齢者が働くことが増えてきているようです。但し、カルフォルニアに留学していた時の友人の多くは、自営業として働いている人はいるものの、大部分は既にサラリーマンを辞めてFIRE済みですので、余りこのデータのイメージとは一致していません。サラリーマンを続けている友人は、再婚して子供がまだ小さい、離婚を2回して慰謝料の支払いがまだ終わらないといった、どうしても安定的な収入が必要というやむを得ない事情を抱えている人に限られているような印象です。
米国の場合、年齢による定年退職というのは違法ですので、何歳になったから退職するという社会的通念がありません。自分が納得する資産を築いた時が、サラリーマンの辞め時というのが一般的な考え方であり、早くリタイアする人もいれば、遅い人もいて当然、年齢は関係ありません。日本のような世界で最も成功した社会主義国家と揶揄されるような社会ではなく、米国は弱肉強食の資本主義国家ですので、自分が納得する資産形成ができなければ、65歳、70歳になろうとも、いつまでも働かないと生活が出来ないという、弱者には厳しい社会であることは間違いありません。
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