今週は、FOMCは+0.25%の利上げで無事通過したと思っていたら、クレディ・スイスの救済策に続いて、ドイツ銀行の株価急落と、欧州銀行を中心とする世界的な金融システムへの信用不安が拭えず、株式市場も不安定な動きでした。
現地時間の3月23日、バンガード社のHPで、CEOのティム・バックリー氏が、市場が下げている時にポートフォリオについて不安になっている投資家へのアドバイスを送っている動画がありました。シンプルで力強いアドバイスでしたので、紹介したいと思います。
リタイアに向けて投資をしている最中の人、あるいは既にリタイア済みの人では、それぞれゴールが違うので、一つの戦略をアドバイスするのは難しい。しかし、一つのアプローチは存在する。ボラティリティ(値動き)が激しい時、市場が下げている時こそ、投資家自身がコントロールできることをコントロールすべきだ。
リタイアに向けて投資をしている最中の人、年齢的には35才、あるいは40才位の人に対するアドバイスとしては、あなたがバンガードの金融商品を保有しているのであれば、投資における重要な要素である投資のコストについては、既にコントロール済みである。
その次は何をすべきか。市場が下げている時は、お金を節約して、より大きくのお金を投資に注ぎ込むのが理想的だ。それが長期的なリターンを改善させることに繋がる。市場が回復してきた時に、投資の元本がより多い方が、リターンを大きくすることができる。
既にリタイア済みの人はどうすべきか、既に収入がない人、投資に頼って生活している人は、生活に掛かる費用をコントロールすべきだ。毎年、年10万ドルをポートフォリオの4%〜5%を取り崩して生活するリタイアした人がいるとする。我々の調査では、もし、この人が何も消費行動パターンを変えない場合、8回のベアマーケット(下落相場)に遭遇すると、約30%の確率でポートフォリオは棄損していく。それは誰もが望むことではない。
ではどうコントロールすればよいか。シンプルな答えだが、経費を下げることだ。大幅に支出を下げなければいけないか、そんなことはない。10万ドルを生活のために支出するのであれば98%、あるいは理想的には95%まで下げればよい。逆に市場が回復してきた時は、自分へのご褒美として、5%程度、支出を増やせば良いのである。
投資家自身がコントロールできることをコントロールすべきだという戦略は2つ。節約すること、経費を下げることだ。
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