投資という名の長い旅

インデックスファンド、米国ETFを活用した長期投資で、2024年1月にセミリタイア、FIREを達成しました。市場に居続けながら、FIRE生活を楽しんでいきます。

松本大著『松本大の資本市場立国論』を読んでみました

投資をされている方であれば、ご存知の方も多いかと思いますが、著者の松本大氏は、ネット証券大手、マネックス証券の創業者であり、現在は会長を務め、東大法学部を卒業後、ソロモン・ブラザーズゴールドマン・サックスといった外資系金融の第一線で根っからのトレーダーとして活躍されていた方です。

 

最近では東大生の就職希望先に外資系金融、外資系コンサル、外資系IT企業が上位にランクインするのが当たり前という時代になっていますが、80年代後半当時では珍しかったと思いますので、そういう意味では、著者は東大から外資系金融の道に進んだパイオニア的な存在といえるかもしれません。

 

今回、マネックス証券のポイントで交換できる商品の一つに、この本がありましたので、入手してみました。

 

著者の一番のメッセージは、日本経済の立て直しのためには、資本市場をもっと活用して日本経済を活性化していこうということだと思います。

 

アメリカという国は資本市場を最大限活用して繁栄している。また株価の上昇が自然と国民の利益となるような仕組みが確立されている。例としては、確定拠出年金制度である401kプラン(日本でいえばiDeCo)は、米国の投資信託で運用されるケースが大部分であり、株価が上がれば上がるほど、退職資金も増えることになり、401kプランの加入者である民間企業の従業員は直接恩恵を受ける。株式のナチュラル・バイヤーを自然と増やすような仕組みが出来ている。

 

日本はアメリカとは対照的に、日本人の金融資産が預貯金に偏っており、多くの日本人が資本市場の恩恵を受けていない。また企業の株式の持ち合い解消による株式の売却、高齢化社会の影響により大相続時代を迎え、相続のための株式の現金化という売り圧力が強まる可能性が高い。日本は逆にナチュラル・セラーの仕組みが強まってきてしまっている。

 

ゾンビ企業を保護するような政策ではなく、資本市場を本来あるべき姿に改革する。東証の上場基準についても、それを満たせない企業は退出するような仕組みに変えていき、日本企業の競争力を高めていくべきだ。本来であれば、退出すべき企業が守られ、その結果、日本の生産性が落ちてしまっている。日本とアメリカの生産性の差は、退出があるかないかの差で、8割方説明ができてしまう。

 

私も基本的には著者のメッセージに賛成の立場です。日本政府はバラマキ型の政策ばかり行なっていますが、公金にすがろうとする既得権者だけが恩恵を受け、本来必要とされる人々に恩恵が行き渡っていないので、目にみえるような成果も殆どでていない(誰も検証しようともしない)のが現状です。バラマキ型の政策ばかりなので、当然、その原資は増税あるいは社会保険料のアップという形で国民が強制的に負担させられることになってしまいます。

 

資本市場の改革は、バラマキ型の政策と異なり、お金は必要ありません。仕組みを変えること、退出基準を明確にすることだけで、後は民間企業各々が自律的に努力すればよいだけの話です。日本企業のROE等の利益率が低い問題、PBRが1倍割れの企業が東証に多数上場している問題も改善していけば良いと思っています。

 

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