投資という名の長い旅

インデックスファンド、米国ETFを活用した長期投資で、2024年1月にセミリタイア、FIREを達成しました。市場に居続けながら、FIRE生活を楽しんでいきます。

「eMAXIS Slim」という新たなシリーズの登場

 三菱UFJ国際投信より、2月10日に正式なプレスリリースの発表がありました。既存のeMAXISシリーズの信託報酬が下がるわけではなく、新たに低コストシリーズとして「eMAXIS Slim」が2月27日に追加設定されるようです。私も含め、既存のeMAXISシリーズ保有者にとっては、ぬか喜びという結果になってしまいました。

 

http://www.am.mufg.jp/text/release_170210_2.pdf

 

新たにインデックス投資を始めたいという人々にとっては、今回の「eMAXIS Slim」の登場は、魅力的な選択肢になりえます。 一方で、既存のeMAXISシリーズの信託報酬引き下げができなかったという現実は、日本の投資信託をとりまく構造的な問題を露呈したともいえると思います。

 

プレスリリースによると、「販売会社とのコラボにより誕生しました」という文面があります。「eMAXIS Slim」の販売会社は、大手のネット証券だけです。一方、既存のeMAXISシリーズの販売会社は、ネット証券だけでなく、大手信託銀行、地方銀行、従来型の対面証券会社が含まれています。ここからは、想像の域をでませんが、信託報酬の内、販売会社の取り分を削減することに合意できたのは、ネット証券だけで、従来型の銀行(含む地銀)、対面証券会社とは合意できなかったのではないでしょうか。そのため、既存のeMAXISシリーズの信託報酬引き下げは断念し、合意できた大手のネット証券だけでの販売に限定して、『eMAXIS Slim」という新シリーズの導入に踏み切ったのではないでしょうか。

 

金融庁のトップに森長官が就任して以来、「フィデューシャリー・デューティー」を掲げて、従来の金融機関よりの姿勢から、我々消費者よりの姿勢に方針転換したことは、周知の通りです。私は、この姿勢の変化を高く評価しています。金融機関は、受益者に対して、より一層、公正・透明な説明責任が求められています。そんな中で、既存のeMAXISと新しい「eMAXIS Slim」、マザーファンドも同じようですし、殆ど同じ商品でありながら、信託報酬だけが違う、これを受益者にどう説明するのでしょうか。正直なところ、モヤモヤ感だけが残りました。