既に多くのインデックス投資ブロガーの方々が取り上げていますが、現地時間の1月16日(水)に、インデックスファンドを世に初めて送り出したインデックス投資のレジェンド、バンガード社の創始者、ジャック・ボーグル氏が享年89才で逝去しました。
カリフォルニア留学中、MBA一年目の授業が終わった夏休み中に、投資について、もっと勉強したいのなら、これを読んでおけとクラスメートから勧められた一冊が、ジャック・ボーグルの「インデックスファンドの時代」、原題は”Common Sense on Mutual Funds"でした。直訳すれば、「投資信託の常識」という感じでしょうか。当時、私は投資信託を買ったこともなく、インデックス投資という言葉の意味もわからず、バンガードという会社についても、何も知りませんでしたが、そのクラスメートから、私のような素人が投資を始めたいなら、インデックス投資が良い。とりあえずこの本を読むべきと言われたので、当時、必死に読んだのを覚えています。
2004年の秋に日本に帰国した私は、2年間の米国留学でほぼ全財産を使い果たしていた状況だったので、再就職を機に投資を始めようと思ったのですが、その際に、この本で学んだインデックス投資を始めてみようと考えていました。現在のように数多くの低コストの投資信託が乱立している状況と違い、当時はそのような低コストの投資信託は、日本に全く存在しなかったのです。
米国ETFを購入するのも、当時は手数料が高すぎて個人レベルでは無理でした。バンガードの投資信託をどうにか日本で購入できないものか、いろいろと調べた結果、マネックス証券が扱っていたバンガードの投資信託、トータル・ストック・マーケット・ファンド(VTSMX)、バンガードETF VTIの投資信託版を購入することで、米国市場へのインデックス投資を開始しました。その後、マネックス証券が米国株の特定口座に対応したことにより、バンガードETF VTI, VOOにリレー投資を行ない、今日に至ります。
ジャック・ボーグルの功績とは何でしょうか。「長期、分散、低コスト」というバンガードの投資哲学により、株式投資を素人にも易しいものにしたということではないでしょうか。素人が個別株を選んで投資するのは非常に難しい。低コストのインデックスファンドを毎月買い、後は何もするな、永久に保有しろという単純ながら、奥が深い投資方法を新たな投資の常識(写真の原題のCommon Senseというタイトルはそういう意図なのだと理解しています)として定着させたことだと思います。
ただ、毎月買うだけで良いのか、私自身、最初は半信半疑でしたが、2005年以来、14年間バンガードの商品を保有することで米国市場全体に投資し続けてきた今、ジャック・ボーグルの提唱してきた投資哲学の素晴らしさを実感しています。
ジャック・ボーグル氏の冥福を祈ります。