現地時間8月26日、金曜日の米国株式市場は、ダウが1,008ドル安(3.0%安)、S&P500は3.4%、NASDAQは3.9%の下げと、パウエル・ショック、あるいはジャク損ホール・ショックと言いたくなるような久しぶりの大幅な下げとなりました。
7月以降、堅調な米国企業の業績、インフレ率の低下を受けて、楽観的なムードが漂っており、株価も回復基調にありましたが、パウエル議長のジャクソンホール会議での講演は、歴史は時期早々の金融緩和を戒めている、物価上昇を2%に戻すまでは金融引き締めを続けなければならないと、高い政策金利が長期にわたって続くだろうとの警告的なメッセージでした。これにより、FRBは2022年で利上げを停止し、2023年には利下げに動くのではないかという市場の淡い期待を打ち砕いたことになります。
パウエル議長は9月のFOMCでの具体的な利上げ幅については、ジャクソンホール会議での講演では明言を避けたようですが、現地時間の8月26日のCNBCのインタビューで、お馴染みのジェレミー・シーゲル教授は、FRBは更に1.0%だけ利上げをすれば十分であると述べていますので紹介したいと思います。
市場は、1.25%あるいは1.30%の利上げを期待しているようだが、1.0%だけ追加利上げすれば十分だと考えている。なぜなら、既に景気の後退が明らかにみられるからだ。
パウエル議長は、現在から年末までの期間、どの程度の金融引き締めを実施すべきか、正しく認識することを期待している。現状を考慮すると、最低でも1.0%の追加利上げで、景気をスローダウンさせるには十分だ。
コアインフレに重大な影響を及ぼす住宅のコストを注視すべきだ。現実に米国で起きていることだが、住宅価格は下がり始めている。
マネーサプライの伸びが、歴史的にみても最も低迷している。これは景気が落ち込み始めている証拠だ。
2022年には320万の雇用が増えたにもかかわらず、GDPが全く増加していない。これは歴史上、最も生産性が崩壊したのだ。
いかがでしょうか。9月20日、21日に予定されている次回のFOMCに引き続き注目していきたいと思います。バンガードの投資家の今後12ヶ月の米国株式市場のリターンの予想を先日、紹介しましたが、1%以下という予想が現実的な数字になりつつあるような気がしています。
今後の米国の利上げで、円安は更に加速する可能性はありますが、ドルベースでは1%以下のリターンに留まり、ドル建資産の円安効果による円貨ベースでの増加位しか、期待できないかもしれません。いかなる状況になろうとも、規律を守って航路を守る、市場に居続ける投資を続けていくしかないと思います。
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